「水の柩」的な

水の柩

水の柩

 面白かった!
 後半から最後にかけての盛り上がりは個人的に素晴らしかったと思います。前半はやや単調だと思うかもしれないですが、これはぜひ最後まで読んでほしいです。
 以前道尾さんが「情熱大陸」に出演していた時に執筆されていたのが確かこの作品。「情熱大陸」の道尾さんが「長編丸々3回くらい書き直した」みたいなことを言っていたくらい苦労して書いていた作品だったみたいです。その苦労がこの完成度につながっているのだと思います。(この「情熱大陸」で道尾さんが「僕は自分で書いた作品の一番のファンで、一番読み返してる。だから誰にも負ける気がしないんですね」みたいなことを言っていたのが印象的でした)
 これはまだ直木賞を受賞する前に執筆されていた作品だと思うので、次回以降に本になる作品が直木賞受賞後に書いた作品になるのかな?
 いずれにせよ道尾秀介さんは今後が楽しみな作家さんの一人です。