「アッシュベイビー」的な

アッシュベイビー (集英社文庫)

アッシュベイビー (集英社文庫)

皆さんご存知金原ひとみさんの小説です。
文章力といいなんといいすごい。
これ呼んだら「恋空」って何だよ。って本気で思いました。書いてる人は同じ年代なのにね。
同じ芥川賞受賞者の綿矢りささんとは本当に正反対というかなんというか……。
ちょっとここから自分の見解なので読み飛ばし推奨。
SFとかミステリーとかではない一般小説(恋愛小説含)を書こうとするとどうしても物語が平坦になりすぎてしまう(起承転結があまりはっきりとしていない)ところがあると思うんですね。
特に純愛とか一般の恋を主題にした場合とかそういうパターンが多いです。
だから文章のメリハリをつけたいがために病気や事故で恋人が死んじゃったりするんですね。例 世界の中心で愛を叫ぶ・恋空(を初めとしたケータイ小説全般)
逆に普通の恋愛を主題としているからこそ平坦な話が書けるという考え方もあります。
この場合は文章力や描写力で読者を魅了させてるわけです。 例 おいしいコーヒーの入れ方・とらドラ! 蹴りたい背中
さて平坦になりがちな恋愛小説でどうしたら個性的な作品にできるか。
それが今回のアッシュベイビーなどに見られる『奇抜でユニークなキャラ設定』ということになると思います。
アッシュベイビーではキャバ嬢の主人公・ルームシェアのホクト・32歳の男性村野さん。とりあえずこれらのキャラで話は進んでいきます。とりあえずホクトのキャラ設定が奇抜……というかすごいことになっちゃうわけですよ。話の起承転結的にはそんなに動きはない。けどホクトの奇抜な行動とそれと同時進行で行われる恋愛みたいな感じで物語が進められます。
この設定型(命名sumiyaki)は意外とライトノベルなんかでは普通に行われていたりしますが、恋愛物なんかでもよく用いられます。 例 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん イノセントワールド(桜井亜美)。
でキャラ設定も平凡で文章力が乏しいとただのつまらない平凡なお話になってしまうというわけです。
そこで恋人の死という出来事をもってくることによって感動・悲しみというメリハリが少なからず生まれてしまい小説として形になってしまったりもしちゃうわけなんです。
とか書いてきましたが適当に思ったことを書いただけなので自己満足したら記事はそのうち消すかもわかりません。